2010年3月20日(土) 午前4時~午後5時 カレイ釣り
  那珂湊水温 
ー.ー度  <潮>中 満潮 5:39 干潮 12:28
ノビタの釣り天国


          3度目の正直

                                         これ1枚
熱き想い
薄れていく暁の闇。
やがて海上が輝き、沖が金色に染まり。
すぐ朱色に変わると。
その朱をボタボタと滴らせて太陽が昇ってきた。
海面はキラキラと光の絨毯に覆われ、その上を30羽ほどの黒い鳥影がゆっくり滑っていく。
期待の時は過ぎつつある。
このまま何ごともなく終ってしまうのか。

今日は、そうさんお薦めの場所に来ていた。
かたさん、そうさん、それにヨタさんも一緒である。
そうさんの話しでは、一人数匹は期待できるらしい。
ーほんとかいな?
と思いつつも、闘志が溶鉱炉の鉄のように真っ赤に燃えた。
なんせ、昨日まで2日連続カレイに振られ、カレイへの渇望は、”大旱(だいかん)に雲霓(うんげい)を望む”が如くだった。

もう来るころ
午前4時、釣り開始。
投げ竿を3本出した。
雲の無い空に、無数の星が瞬いていた。
海はベタ凪。
風はほとんど吹いていない、わずかに陸から海へ空気の流れを感じるていど。
でも寒かった。
拭いても、拭いても鼻水が出てくる。

            
ベタ凪
満潮は午前5時半。
潮が止まる前後にカレイが食いつく、が定説なれど・・・。
竿は微動だにしない、まるで石化したように。
5時半を廻った。
そして6時を過ぎた。

6時15分。
そうさんが30センチほどのマコガレイを上げた。
ーいよいよだ!
と一気に緊張感が高まった。
それから、10分、20分、30分、1時間・・・。
何の変化もなく時が滑っていく。

はじめの1匹
午前7時50分。
燦々と降り注ぐ陽気に、コックリ、コックリと半分、船をこいでいると。
突然、
「リリーン、リリーン」
と空気を引き裂く呼び鈴が。
ハッとして頭を上げると。
左端の竿先が、ビシッと空を切り跳ね上がった。
                                             
風強まる
待ちに待たアタリだ。
眠気が一気に吹き飛んだ。
ーよし。
それっきり竿先は元に戻り、動かなくなった。
カレイ独特のアタリだ。
ー食え、餌を飲み込め、遠慮するなよ。
 俺は、お前の食事の邪魔はしない。
 食うんだ、呑み込め。
と、声を出さずに、海底で食事をしているカレイに呼びかけた。

そのまま数分待ったあと、竿持ったまま仰け反ると。
ドドッ、ドドッと確かな手応え。
「タモ、タモ」
と、そうさんと、ヨタさんを呼んで。
ヨタさんにタモ入れしてもらったのは、久々の38センチマコガレイだった。

   
  ヒトデ3兄弟
全員一匹
このあと。
午前9時15分に、かたさんが42センチ。
10時10分に、ヨタさんが38センチ。
そして午後12時10分、そうさん、海面で40センチ級を痛嘆のバラシ。
そうさん、
「こんなに別れが苦しいものなら
 二度と恋など したくはないわ」
と、しばらくショックから立ち直れない。
このあと、在庫が品切れとなったのか、海は沈黙したままとなる。


納竿
このあとは、
「ヒトデは続くよ どこまでも」
とヒトデのオンパレード。
午後3時半ごろから西風が吹きはじめ、しだいに強くなってきた。
午後5時、なんとかもう1匹と思ったが、かたさんが帰ると言うので納竿。

本日釣果
   マコガレイ   38センチ  1匹

The END
SEO [PR] !uO z[y[WJ Cu