2012年10月26日(金) 晴れ
       那珂湊 海水温 19.6度
        那珂湊港の潮汐 中潮 満潮 13:29  干潮  7:07
ノビタの釣り天国

       
2012年10月26日(金) 午前5時50分~午後12時40分 常磐沖の鯛釣り


        特別大書の日

                                       中吉の釣果
今日は中吉かな?
「老人よ、大志を抱け!」
と、自宅を出発したのは午前4時。
夜空は満天の星、今日も釣り日和だ。
ロシナンテを鞭打ち、ハイ・ドー・ドーと漆黒の闇の中へ。
惚れて通うなら千里も一里、一瀉千里を駆け抜ける勢いで那珂湊へブッ飛んだ。
釣り師は縁起をかつぐ。
東海村から那珂湊港まで交差点は、30箇所ある。
先日、赤信号で止められたのは1回だけ、今日は5回止められた。
「ユーザ・ミ・デイッチ・マイ!」
トッポ・ジージョのセリフで。
「何てこったい!」
前回が大吉なら、今回は中吉といったところか。
ちと期待に影をさす出来事であった。

那珂湊港の船着場に着いたのは、午前4時半。
まだ港はどっぷり闇の中だ。
すでに先客の車が2台止まっていた。
いつもの定席、左舷のややミヨシ寄りに荷物を下ろし、ロッドキーパーを船縁に固定していると。
「おはよう!」
とかたさんがやって来た。
彼とは久々の同行だ。
彼は一つテンヤの真鯛狙い、ノビタは胴付き5本針活きエビ仕掛けの鯛狙い。
本日、鯛を狙う釣り師は7人、うち一つテンヤ使いが3人、残り4人は胴付き仕掛けであった。

    
      波を乗り越へ
今日は渋かった
午前5時10分、出航。
船は北寄りの風を正面に受け、黒々とした千波万波を飛沫を上げて乗り越えながら常磐沖へ向かった。
現場に着くころには夜も明けていた。
陽光を反射する波濤が、ガラスの破片を浮かべているように眩しい。

午前5時50分、開始。
水深34メートル。
開始から10分、はじめの1匹は17センチの花鯛。
今日はどうしたのだろう?
いくら海に呼びかけても応答なし。
餌取りもいない。
待望の真鯛がきたのは、午前6時45分。
サイズは30センチに届かなかった。

BGM
今日のBGMは、滅多にない魚との激闘を祝し、アラベスクが弾むリズムで歌う『Midnight Dancer』を。
















激闘
午前7時15分。
高い空を行く雲は淡く筋を残し、海上を吹く風は乾いて軽かった。
波に乗り、揺りかごのように揺れる船上でノホホンと、
ー来る、こない。
 来る、こない。
 来る、絶対くる。
とつぶやいていた。

                                        
揺りかごに乗ってる気分で
その時だ、ミスター・ダイナマイトが来たのは。
何の前触れもなくバシッ!と、竿が張り倒され。
その瞬間。
頭の中は非常事態発生の警報が鳴り響き、灰神楽になった。
ー見るがよい!
胴調子の竿は、海面に土下座し今にも破断しそうになっていた。
リールがジージー悲鳴を上げ、水深30メートルを指していたメーターが40メートルを超えて伸びていく。
思わず、
ー止まれ。止まれ。止まるんだ!
と声を出さずに絶叫したよ。

「船長、大変だ!」
と叫ぶと。
操舵室から船長が顔を出し、
「そりゃワラサだよ」
と・・・。
ーナンテコッタイ!
道糸が海面をバターナイフで切るように走り、大トモにいた釣り師の道糸を巻き込んだのだ。
「道糸を出せ出せ」
と船長が、大トモの釣り師に叫んでいる。

ノビタの隣りに大タモを持って、コムさんが立った。
ハリスは2号、いつ切れてもおかしくない細さ。
それを助けたのは錘負荷20号をこなす極細の竿、”柔は剛より強し”通り、引きの強さを緩衝したのだ。
リールを巻くが空回り。
そして、敵の逆襲、また逆襲。
道糸はなかなか巻けない。
このままでは、エンドレスの戦いになると、少しドラグを強めにし、道糸の出を指でセーブしながらリールを巻く。
流汗淋漓(りゅうかんりんり)の長い攻防戦だった。
戦いを始めて30分ほど、とうとう敵の姿が海中に浮き上がった。
「ワラサだ!」
とコムさんが叫ぶ。
海中を白い魚体が大きく旋回し、そのまままた暗い海中に潜って行った。
ジージージーと道糸が、出て行く。
ーああ。
                                     
  ハリス2号で戦った!
体力はまだあったが、精神力が下限を切っていた。
耐えられずに、道糸を掴んで引き上げようとすると。
「ダメダ!道糸を掴むな!」
と頭上から噛み付くような、船長の声。
そのままやったりとったり。
とうとうコムさんの大タモで、御用!
と・・・。
「真鯛もくっついているぞ!」
とコムさん。
ナント、ワラサと真鯛のダブルであった。
まるで、盆と正月が手をつないでやってきたような出来事が。
熱烈歓迎のワラサは68センチとまだイナダの領域であった、真鯛は26センチ。

民主党の話し
8時10分。
1度あることは2度ある。
また竿が張り倒され、ワラサと以下同文の戦いがあり。
船に上がったのは、38センチのカンパチと28センチの真鯛のダブル。
今日は、一生に一度あるかないかの事が、2度もあったのである。

後ろから(右舷のミヨシ側)、声が聞こえてきた。
「オーッ、良い引きだ。2キロ級の真鯛だな」
すると、
「あんたも民主党になったのか?」
「エッ?」
「嘘つき、ってこと!」
最近は、民主党が嘘つきの代名詞になってきた。
高速道路を無料化すると言ってたけど、あれは何だったのだろう。
2030年代に原発ゼロにし、再生エネ4割にするなんて、誰が信用する?
東南アジアでは日本を、
「ノーアクション・トークン・オンリー」
と阿諛(あゆ)しているそうな。
いま民主党が、その言葉に懸命に磨きをかけている。

沖上がり
カンパチと真鯛のダブルを釣ったあとは、1時間に1~2匹とかなり厳しい釣りになってしまった。
午後12時40分。沖上がり。
釣れないので、船長が40分ほどロスタイムを延長してくれたようだ。
今日は全員、渋い釣りとなった。
ノビタが釣ったワラサとカンパチが、羨望になったくらいですから・・・。

「生ける人 つひには死ねるものあれば
今在る間は 楽しくあらぬ」
  (『万葉集』の大伴旅人の詠み)

本日釣果
真鯛   24~28センチ  7匹
花鯛  17~20センチ   7匹
ワラサ  68センチ      1匹
カンパチ  38センチ     1匹

The END
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