2012年11月9日(金) 晴れ
       那珂湊 海水温  17.8度
        那珂湊港の潮汐 若潮 満潮  7:57  干潮 12:27
ノビタの釣り天国

       
2012年11月9日(日) 午前6時~午後12時半 常磐沖のタコ釣り


         最悪の状況でタコ3杯

                                       頑張った3杯
海は荒れぎみ
本日。
「天気晴朗ナレドモ波高シ」
遮るものがない空から、陽射しが燦々と海上に降り注いでいた。
ふと陰った。
顔を上げると、眼の前に満目の青黒い山が迫っていた。
津波のような巨大な波である。
これぞ、3D映画を超える本物の迫力だ。
青黒い山は海上を走り、白い漁船を頂に押し上げ押し下げ、波間に消して。
そのまま海岸に近づくと、ギュスターヴ・クールベが画いた『波』のように。
その峰沿いに白煙を上げ、ドドーン!と飛沫を噴水のように吹き上げて破砕し、海岸線を白い帯で覆った。

次から次から押し寄せる青黒い山。
このような日のタコ釣りは、難易度100パーセントである。
今日は、ノビタが考案した「必殺 御タンコ何誘(おたんこなす)」の試釣日だったが。
「髀肉之嘆」である、その威力を発揮できる機会もなく終わりそう。
なんせタコ釣りは、タコ天仕掛けが海底にあってなんぼの釣りなのに。
波が船下に潜るたびにタコ天が海底から数メートルも跳ね上げられてしまうのだから。



BGM
今日のBGMは、シャリーンが歌う『愛はかげろうのように』。
メロデーも素晴らしいが、西尾紀子さんの対訳が秀逸だ。内容は全女性に話しかける形で歌われている。
まるで短編小説を読んでいるような気分に、女性の方は誰でも知っているのかもしれませんが・・・。

「ねえ考えてみて
 幸福って何かしら?
 幸福なんて本当は嘘
 人間が創りあげた幻想よ」










はじめの1匹
午前5時50分。
ノビタを含む百戦錬磨8人の釣り師を乗せた船は、われわれの前を行く漁船のあとを追うようにして那珂湊港を出撃した。
今日はいつもの左舷ミヨシよりに席を取ることができた。
雲一つない快晴。
冷たい西風が吹いてい手鼻水が滴るが、これくらいは我慢のうちだろう。
気になる海もそれほどうねってはいなかったが・・・。
                                     
早朝は穏やかな海だったが・・・
釣りを開始したのは、午前6時。
「海が濁っている!」
と正直な船長が叫んだ。
見ると、海は黄土色に染まっていた。
海が底荒れしているのだ。
ーああ。
案の定、10分、20分、30分、・・・1時間、船は沈黙したままである。
午前7時50分、120号のタコ天を操る道糸に異変を感じた。
わずかに重量が変化したのだ。
一気に道糸を手繰ると、こぶしサイズのタコがタコ天にくっついていた。

一度あることは二度ある
午前9時。
船長がタコ釣りをしている他船と状況を確認していた。
そのあとで、
「勝ったぞ!向こうは今4ハイ。こちらは5ハイだ」
なんちゅうことはない、船中の合計で競っているのだ。
最低レベルの競い合いだった。

     
しだいにうねりが出てきて
午前9時までに、ようやくこぶし大サイズを1ハイ追加。
午前10時を廻った時である。
タコ天に充分な重量感があった。
ノビタの右側にいた百戦錬磨にタモ入れを頼み、一気に海底からタコを引き上げてきた。
と・・・。
「そこで止めろ!」
とタモ入れをしようとした百戦錬磨が叫んだ、時はすでに遅かった。
勢いあまってタコを海面から引き上げ、針が外れてしまったのだ。
タモ入れする前にバラシ、これはショックだった。

それから1時間あと、またチャンス到来。
今度は船長が操舵室から飛び出してきて、タモを持った。
今度は慎重に、道糸を手繰ってきた。
海面にタコの姿が見えたと思ったら、またもフワーッとタコが仕掛けを離し遁走。
と思いきや、ザブーン!と船長のタモが海に飛び込み逃げたタコを掬ったのだ。
まるで神技であった。
ー声を出さずに多謝!

沖上がり
午後12時半、沖上がり。
今日は高波のためか、海が底荒れしていたためか、船全体が不調。
右舷側にいた百戦錬磨4人は、玉砕してしまった。
それでもタコ釣りに再度挑戦するという。
理由は、やはりタコの美味さであろう。

ノビタも釣る楽しみ半分、食べる楽しみ半分である。
タコに比べたら、鯛やマグロなど屁であるほどタコが好きである。
海が凪たら今度こそ「必殺、御タンコ誘」の威力を確かめてみたい。

本日釣果
真タコ  0.4~1キロ  3匹

The END
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