2013年5月2日(木) 雨のち晴れ  うねり少しあり
       那珂湊 海水温  14.1度
     那珂湊港の潮汐 小潮 満潮  7:23  干潮 14:55
ノビタの釣り天国

       
2012年5月2日(木) 午前6時半~午後13時 日立沖のヤリイカ釣り


        日立沖で七転八倒


                                    50センチ級ヤリイカをなんとか8杯
ヤリイカは何処へ?
5月2日(木)、ヤリイカ釣りに出撃。
今回乗船した船は、840馬力と那珂湊港では一番の大型船OKJ丸。
遊漁船のネット風に昨日の釣果を報告すると、ヤリイカ45~55センチが0~8杯。
これでは状況がよく見えませんヨ。
もう少し詳しく。
18人乗船し、玉砕(0杯)が12人、1~3杯が4人、6杯と8杯がそれぞれ一人。
なんともはやはや。

5月2日、日立沖で見たヤリイカ船の多くは、5月2日の釣果情報を更新していない。
報告が逆効果になるからだろう。
それでも、釣果報告した船もある。
日立港の1艘は0~9杯、もう1艘は3~13杯。
那珂湊港のイカ釣り船K丸は、8~17杯(ホントカナ?)。
とにもかくにも、5月2日はどの船に乗っても、高いヤリイカ(乗船料1万2千円)になったようだ。

さて。
より詳しい乗船記は以下に。

その前日の話し
前日(5月1日)の午後4時。
OKJ丸に予約の電話をした。
電話に出たのは女性で、外人風。

電話口から、空気が漏れるような、かすれた声が返ってくる。
「声が苦しそうですね」
「クルマノナカダカラ、フー」
「エッ、運転しているの?」
「ダイジョブダ。トマッテルノダカラ、フー」

「現在、予約している人数は?」
(ヤリイカ釣りは水深が120メートルと深く、人が混むと仕掛けが絡み合う確率が大となる)
「10ニンダヨ、フー」
「エッ、そんなに乗るの。これからもっと増えるのでは?」
「ダイジョブダ、フネオオキイカラ、フー」
「トウカイムラナラ、ハヤククレバヨイゾ、フー」
・・・
予約をしたが、酒に酔ったような彼女のかすれた声が、しばらく耳にこだましていたヨ、フー。

こんなに乗るんじゃ
5月2日(木)。
午前2時40分。
那珂湊港の船着場に到着。
OKJ丸は、街灯の薄暗い明かりにぼんやりとその姿を晒していた。
指定の集合時間は午前5時、まだ早い。
けど・・・。
先客の荷物が、1つ、2つ、3つと船上に。
ノビタが望んだ右舷ミヨシは、まだ空いていた。-ホッ。
それにしても寒かった。
おまけに小雨が降り止まない。
ヘッドランプを点け、ゆっくり釣りの準備をしていた。
                                                
インデアンの壁画
午前3時過ぎ。
左舷ミヨシ寄りに、筒を12個組み合わせた投入器を持って百戦錬磨がきた。
宇都宮から来たと言う。
午前3時40分。
次々と到着する乗船客を見て、
「ダメダ。こんなに乗るんじゃやってられん、止めた、止めた」
(イカ釣りは、釣り人が増えると仕掛けの絡まりが多くなる)
と宇都宮は、運んだ荷を船から下ろし帰って行った。
その思い切りの良さに感服、奴は男だ!
結果からすると。
仕掛けは絡まるわ、イカは釣れないわとなり、宇都宮は正しかった。


不毛化した海
午前5時5分、出船。
船は真っ直ぐ北を目指した。
小波に覆われた鉛色の海、冷雨が降り続く。
船が切る波飛沫が、容赦なくパチパチとカッパを攻める。
まるで冬のシチュエーションだ。

       
底引き網の漁船もいた
午前6時半。
魚群探知機で魚影を探したあと。
「プップー」
の汽笛と船長の案内で、全員仕掛けを海に投入した。
周囲に底引き網の漁船が、数隻。
ー底引き網でヤリイカが、一網打尽となったのでは?
と、疑心の暗雲が頭の中を埋めつくす。

ここで5分ほどシャクッたあと、船長の引き上げ指示。
そして移動。
この繰り返し。
「(魚群探知機の)反応が無い、んだって」
とスタッフが、船長の話しを伝えにきた。
とにかく釣っている時間より、イカを探して迷走している時間の方が長い。

奇蹟が起こった
「奇蹟を信じ、絶対あきらめなければ神はいる」
(スペインの諺)

午前7時半。
まだ誰もイカを釣っていない。
転戦につぐ転戦、すでに6~8回ほど場所を変えた。
そして。
また釣りを再開。
毎度のごとく、皆さんより2~3分遅れてノビタも7本針仕掛けを海にドボン。
水深120メートルの海底をめざし、仕掛けが落ちて行く。
                                       
他船も何処かに消えた
と・・・。
電動リールの水深計が50メートルを通過した時だ。
道糸がふけ、竿先が水平になり、メーターが止まった。
次の瞬間、ググーン、ググーンと竿がエアロビクスダンスをはじめた。
咄嗟に、
ーこれはサバだ!
と思った。
中層でヤリイカが飛びつくことはないのだ。
電動リールのレバーを最高速にして獲物を巻き上げ、電動リールの水深計が”0”を表示した。

そこからは手巻きだ。
ー重い!
ナント!、1番上の針にはサバではなく、50センチを超えるヤリイカが付いていた。
続く2番目、3番目、・・・7番目全ての針にヤリイカが、パーフェクトの7杯だ。
それは。
一刹那というか、一弾指というか、束の間の光彩であった。
この時、だれがそのあとの白紙の時間を予想したであろう。
結局、このあと午前11時に1杯追加しただけである。

     
天気は回復したが寒い1日だった
最後のドラマ
午前11時半。
仕掛けをシャクっていると。
身に覚えのあるググーッ、ググーッのヤリイカのアタリ。
そのまま、慌てず、騒がず、油断せず、リールを手で巻いてきた。
と・・・。
ガタガタガタと一瞬、竿先がタップを踏んだ。
ーなんだ?

電動リールを中速で巻いたが重くて回転しない、高速に切り替えた。
そのままジワジワと引き上げてくると。
なんたるコッチャ!
海中で、獲物が大きく回転し、船の反対側にいた釣り師の道糸に絡んでしまったのだ。
それでもなんとか海面に浮上させた獲物は、70センチはあろうかと思われる腹ボテのタラだった。
針に掛かったヤリイカを、ひと飲みにしたのだ。
タモが足元に転がっていたが、手が届かない。
「船長、タモ!」
と叫んでいると。

右隣りの釣り師が、「逃げたよ」とぼそり。
今朝、彼が乗船するときに、手助けしてやったのに・・・。
「ポプレ・デ・ミ(憐れな私)」
これが最後のドラマであった。

沖上がり
午後1時、沖上がり。
那珂湊港に帰港したのは午後2時。
本日の竿頭は、8杯釣ったノビタであった。
次元の低い競争の時は、ノビタが竿頭になることもある。
2番手は神奈川の平塚から車を飛ばして来た人で6杯。
これから4時間かけて帰るのがつらそうだった。

「今日の憂いは
  今日にて足れり
   なにとて汝 明日を想い煩うや」

本日釣果
ヤリイカ   50~55センチ  8杯

The END
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