2013年5月23日(木) 快晴  波2.5メートル
       那珂湊 海水温  13.9度
     那珂湊港の潮汐 大潮 満潮 15:22  干潮  8:31
ノビタの釣り天国

       
2012年5月23日(木) 午前5時~午後12時 那珂湊沖のマコカレイ釣り


          これが実力だ、コホン


                                   マコガレイ10匹+ムシガレイ1匹
たかがカレイ釣り
常磐沖にカレイを追って5年。
今でも。
まぐれと、奇蹟と、偶然という親友なしでは、私のカレイ釣りは成立しないのである。
初心者の方と同船することもあるが、釣果は彼らと変わらない。
「孫氏曰く。
敵を知り己を知らば百戦危やふからず。
敵を知らずして己を知らば一度は勝ち、一度は負く」
いまだ私はこの域を脱していない、すなわちカレイの生態をよく知らないのである。

先日、おろかな私は、身の程知らずにもカレイ仕掛けで、外道に花鯛も釣ってやろうとした。
カレイと花鯛は餌の嗜好が異なる。
カレイはフラダンスのような派手な首飾りや髪飾り腰蓑をつけた仕掛けで、腰を激しく振る動きに興味をそそられるようだが。
一方の花鯛はワルツを踊るモーニングのような地味な仕掛けで、エレガントな動きを好む。
この難しい方程式に臨んだが、
「やっぱりダメナノダ」
2兎を追う物1兎をも得ず、惨々な結果で終わってしまった。

そこで、今回は初心に戻り。
カレイに特化した仕掛けで、
「トン、トン、トン・・・」
と海底を小突き、
「スーッ、スーッ」
と誘う(聞き合わせ)基本的な技で、捲土重来を期したのである。

    
  靄(もや)に隠れる港
はじめの1匹
黎明。
「あの手この手の 思案を胸に
 かけた命を笑わば笑えと
つぶやきながら。
ロシナンテ(ホンダの50CCバイク)に跨り、闇を流れる白い靄を掻き分け掻き分け、国道245号を那珂湊港へ。
午前3時10分。
那珂湊港到着。
まだ夜明け前、沈黙と闇が港を埋め、近藤船長の船はひっそりと岸壁に寄り添っていた。
めずらしく今日は一番乗りだ。
甲板も釣り座もしっとりと汗をかいていた、夜露に濡れたのである。
左舷ミヨシに荷物を置き、ゆっくりと釣りの準備をはじめた。
2番手が現れたのは、午前4時10分。
早く来たらしいが船着き場がわからず、迷ったという。
午前4時半までに乗船者5人が揃い、午前4時45分出船。

白い靄の中にぼんやりと日が透け、静謐が海を覆っていた。
突然、
「鳥が見えネェー」
と船長の悲痛な声が。
早朝はワラサを追う予定なのに、その水先案内である鳥影が靄に消されていたのだ。
港を出て15分、魚群探知機にワラサの魚影を発見し船は停止。

                                         
朝は穏やかだった
午前5時、釣り開始。
私を除く4人が、メタルジグでワラサ釣り。
私は燃え盛る火炎を胸に秘め、錘50号をぶら下げた3本針仕掛けを、水深25メートルの海底に沈め。
小突くこと5分。
「ククッ、ククッ、ククッ」
ー着信アリ!
海底から道糸を走る応答が、手元に届いた。
竿先を下ろし道糸を弛ませ、
「あわてず食いな、邪魔はしないぜ」
と呼びかけながら、スーッと竿先を持ち上げると。
「グイーン、ガタガタガタ・・・」
と慌てた敵が竿先を踊らした。
「フイッシュ・オーン!」
はじめの1匹は、30センチ強のマコガレイであった。

        
嬉しい飛び入り
それから5分ほど、
海底を小突いていると、仕掛けが動かなくなった。
「・・・?」
根掛かりであろうと、力を入れて竿先を持ち上げると。
持ち上がった。
ータコだ!
まるで漬物石である、ただ重いだけ。
ゆっくり水面まで持ち上げてきた。
800グラムほどの良形の真タコが掛かっていた。


フグとカレイのアタリは紙一重
午前6時。
ワラサを狙うこと1時間、まったくその気配はなく船はカレイを専門に狙うことになる。

海底を小突いていると、時々乾いたような、カサッとした信号を受信する。
ー変ダニ?
と思いつつ仕掛けを回収すると、すっかり餌がなくなっている。
フグの仕業だ。

フグは食い逃げの常習犯で悪賢い、1秒以内に消えるアタリはフグと思って間違いない。
ククッ、ククッ、ククッの信号が2秒以上あった時は、カレイの確率が高い。
カレイは律儀なので、餌を食べたら99パーセント針掛かりする。
ーというかカレイは餌に卑しいだけかな?
「フグのアタリもご存知ない?」
と、いつの間にか餌がついていない針で釣りをしていることに、くれぐれもご用心。

                                           
天気晴朗なれど・・・
天気晴朗なれど波高し
午前8時。
東風が強くなり、千波万波が押し寄せてくる。
船縁を叩く波飛沫を浴び、その揺れにとても立って釣りをしていられない。
船が揺れるので海底を小突くのが難しくなってきた。
それでも休まず、海底を小突く。
海底を小突かないと、動くものに興味をひくカレイを寄せらない。
なんとか、午前9時までに30センチオーバーを10匹釣り上げた。
が、あとが続かない。
午前10時半。
やっと1匹を追釣したが、これが最後の1匹となった。

午後12時。沖上がり。
本日の竿頭は右舷大トモの釣り師で、17匹釣っていた。
私が11匹、この差は何だろう?
たかがカレイ釣りされどカレイ釣り、その道は遠いのか近いのかまだ先が見えない。

本日釣果
マコガレイ    34~40センチ  10匹
ムシガレイ       38センチ  1匹
真タコ      800グラム    1ハイ

The END
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