2013年11月25日(月) 曇り  波高し
       那珂湊 海水温 17.2度
     那珂湊港の潮汐 小潮 満潮  9:29  干潮 15:08
ノビタの釣り天国

       
2012年11月25日(月) 午前6時10分~午前10時半 那珂湊沖のタコ釣り


       つ抜けに自信を取り戻す


                                         自信を取り戻した10匹
タコ釣り敬遠
タコ釣り船に今月は2度乗ったけど、いつも最下位の5匹と3匹。
すっかり自信をなくしてしまった。
まるで、相思相愛の彼女に振られた気分である。
ザ・アニマルズの『悲しき願い』が、そのつど聞こえてきたヨ。
「ベィビー
おまえをおれのものにすることは
叶わぬ悲しき願いなのか
だれのせいでもありゃしない
みんなおいらが悪いのさ
ちゃんちゃか ちゃんちゃかちゃーん」
というわけで、精神のインポテンツに陥り、しばらく釣りから遠のいていた。

そんなおり携帯電話から、
「トップ31匹、かたさんは最下位で13匹」
と、景気の良い話しが耳に飛び込んできた。
発信者は船長である。

すっかり自信を無くした身には半信半疑、逃げ腰、弱腰、へっぴり腰、俺にも釣れるのかと聞くと。
「大丈夫だ、釣れるよ」
と、自信ありげな船長。
俺は決心した。
”座して死を待つよりは討ち死にして果てる”と。

釣り座を確保
まだ濃い闇が港を覆う黎明。
船着場の前に車はない、一番乗りらしい。
と・・・。
この船に乗るらしい客が、隣りに車を止めた。
急いで左舷のトモ(最後尾)に荷を運び、釣り座を確保。ーホッ。
前回、此処で釣っていた人が竿頭になったのだ。
その運を分けてもらいたくての布陣であった。

「おはよう!」
と船長がやってきた。
船長の話しでは昨日は16人乗船したらしい、いささか混み過ぎ、海底にいる1匹のタコを3人で取り合う密度だ。
今日は平日、かつ波も高い予報だったせいか4人、これならタコの取り合いもない理想的な貸切状態だ。
本日乗船した4人は、私も含め残り人生1/4、いつ地球の塵になってもおかしくない老兵ばかりだった。

  
       雲多き夜明け
タコは掛かるのだが・・・
午前6時10分、出航。
空は雲で塞がれ、行く手に広がる万波の海はうねりをともない荒々しい。
船は荒波を裂き、15分ほど沖に出たところで停止した。
此処が本日の戦場であった。
すでに二艘の船がタコを追っていた。

釣りを開始したのは、午前6時半。
約450グラム(120号)の石を錘代わりにした自作のタコ天仕掛けにサンマを付け、ドボーンと海へ放った。
水深7メートル、仕掛けが海底に着底したところで、トントンと海底を叩く。
海底の岩礁地帯はカスバ(迷路のような居住地)である。
タコ天をトントンと踊らせ、盛んにタコにアピールするのだが、なかなかタコに気づいてもらえない。
釣りを開始して20分ほど。
ガサガサという乾いた感触のあと、何かを掛けたような抵抗が腕に伝わってきた。
ガーンとロープをもち上げると、ズシーンとした重量が浮いた。
ーキター!
ところが、引き上げてくる途中、重量がフッと消えてしまった。

今度は、隣りの人(左舷ミヨシの人)がタコをかけたようだ。
ロープを夢中で引き上げている。
と、その時。
「アッ、外れた!」
海面から船に抜き上げようとした時に外れたらしい。
「ああ」
と深いため息をこぼしていた。
一度あることは二度、二度あることは三度、と合計4度も彼は水面でバラシていた。

                                   
        となりもタコ釣り船
入れ食い
10分、20分、30分・・・1時間。
海は何も応えてくれない。
焦燥と、失望と、倦怠と、混然一体となった雲が次々と湧いてきて、頭の中は騒然としてきた。
午前7時40分。
ーう・・・?
仕掛けが海底に圧着したのだ。
疑問符(?)が頭の中を駆け回る。
ー根掛かりか?
大ダコに岩礁を掛けたようなアタリ、岩礁に大ダコを掛けたようなアタリ。
まだ真偽がわからない。
強く、そして静かにロープを引いてみた。
ー動かない。
ロープを弛ませたあと、やや強引に引っ張ると、ー浮いた!
ータコだ!
その瞬間、七色の虹が海上に浮かんだ。
歓喜踴躍(かんきゆうやく)、ロープをたぐりよせ、そのまま一気に船上に抜き上げた。
はじめのワンダフルは、年齢不詳だが1キロ若の待望の真タコだった。

その直後。
仕掛けを海に返し、海底を小突こうとしたとたん、違和感がロープを持つ手に伝わってきた。
粘り気のある抵抗感。
グーッと持ち上げると、重さが浮いた。
ー入れ食いだ!
2匹目は500グラムほどの小ぶり。
このあとも入れ食いが続き、20分ほどの間に5匹をゲット。
8時を過ぎるとアタリは遠くなったが、それでもポツリ、ポツリとタコが掛かった。
これまでにない快挙である。

       
海は次第に荒れてきた
早上がり
ところが、月にむら雲、花に嵐。
海は次第に波風が強くなり、丘のようなうねりが船を翻弄(ほんろう)させてきた。
まるで、ロデオ・マシーンに乗って釣りをしているようだった。
振り落とされまいと足で床を踏ん張り、必死になってタコ天をシャクっていた。
この執念がタコをさらに5匹追釣したのだが、これ以上は危険と船長が判断し、午前10時半、早上がり。
ちょっぴり欲求不満の終了となる。

結局、私が釣った真タコは10匹、いつも私が釣るポイント(左舷ミヨシ)で釣った人は4匹。
私も、彼のポイントで釣っていたなら3~4匹だったかも。
ちなみに本日の竿頭は、右舷ミヨシにいた釣り師で14匹であった。
今日は久々のつ抜けに満足し、自信も少し取り戻した。
「足るを知る 身の丈をわきまえる ひとを羨まない」至言が、今日は素直に受け入れられる。

本日釣果
真タコ  10匹   合計6.4キログラム


The END
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