2014年4月8日(火) 快晴
       那珂湊 海水温 12.4度
     那珂湊港の潮汐 小潮 満潮  8:42  干潮 16:25
ノビタの釣り天国

       
2014年4月8日(火) 午前5時58分~午後12時10分 鹿島灘沖


     
    鹿島灘沖の座布団カレイ釣り


                                    
40センチ前後の良型6匹
春だ、座布団カレイだ!

ー春だ! Springだ!座布団カレイだ!
「一寸の光陰 軽んずべからず
未だ覚めず 池塘 春草の夢」
鹿島灘沖で、座布団カレイが待っているという便りが届いた。
家の中で、うつらうつらしている場合じゃない。
機を見て動かざるば、末代まで笑い者にされるに決まっている。
どこからか、
「眼を覚ませ、オールドボーイ!」
と叱咤の声も。

鹿島灘沖の座布団カレイ、行けば釣れるわけではない。
難しいのだ、超がつくほど。
カレイ専科でいうならば陸のカレイ釣りは初心者コース、沖の座布団カレイ釣りは上級者コースである。
私も身の程知らずに、沖の座布団カレイを学んでいるが、いつ卒業できるかわからない。
その奥の深さは極めつきだぜ。
                                       
おまけ
絶好の釣り日和
4月8日、午前4時10分、那珂湊港着。
まだ夜は明けていず、雲一つない夜空に無数の星が瞬いていた。
北寄りの冷たい風が吹いていたが、それほど寒くはない。
先客二人の車が、船の前に止まっていた。
左舷ミヨシの釣り座に、荷を運んだ。
午前5時20分、出航。
本日の夢追い人は、わたしも含め5人。
ベタ凪の太平洋を、40分ほど南下した旧旭村沖が今日の戦場だった。
午前5時58分、釣り開始。
水深35メートル、錘は50号を使用した。
早朝、潮の流れが速かったので吹き流し3本針全長90センチの仕掛けを使用した。

はじめの1匹
トントントン・・・と海底を小突く。
スーッ、スーッ、スーッと誘う。
10分、20分、30分。
届く便りはフグが餌をかじる乾いたカサカサとした振動だけ。
高橋真梨子の『for you 』、
「あなたが欲しい
 あなたが欲しい
 あなたの全てが欲しい」
をつぶやきながら、海底を小突いていると。
                                       
絶好の釣り日和
午前6時38分。
スーッ、スーッと2回誘いをかけた時だった。
ドアを小指で叩くような微かなトントンの便りが、竿を持つ手に届いた。
そっと道糸を送ってやる。
竿先が小刻みに、ヒクヒクとお辞儀を繰り返している。
ーあわてず餌を呑み込みな。
 俺は待ってるぜ。
30秒ほど待っただろうか。
竿先をゆっくり持ち上げると、とたんにドドッドドッドドッと重厚な響きが返ってきた。
今日の未来を明るく染めた待望の1匹は、40センチほどの良型であった。
この時点では、左舷側3人の先頭を切った1匹でもあった。

寸善尺魔
午前7時。
海底を小突いていると、竿を持つ手に「待った!」がかかった。
ー根掛かり?
そのまま引っ張ると持ち上がってきた。
上がったのは800グラムほどの真タコであった。
                                         
名人 山中教授
このあと7時35分、40分に40センチ級2匹追加。
わたしの左側(左舷中央)の釣り人は、iPS細胞を発見した山中教授にそっくりの百戦錬磨だが、彼はまだ1匹だった。
ところがどうだ、このあと山中教授は巻き返してきた。
あれよあれよと言う間に、午前8時までに5匹を釣り、追いこされてしまった。

いまに見ていろぼくだって、と臍(ほぞ)をかんでいると。
午前8時10分。
スーッと誘いをかけた途端、トントントンと勢いよくドアを叩く応答が手元に。
待った、10秒、20秒、そのままゆっくり竿を持ち上げると、ドドドーン、ドドドーンと激しい反撃を食らった。
と・・・。
間が悪く、
「場所を移動します、仕掛けを上げてください」
の船長の合図が。
隣りの山中教授が、船を移動しないよう船長に連絡してくれた。
重かった、これは50センチを超える大物かと思った。
水深35メートルが、自棄(やけ)に長く感じたよ。
船上に上がったのは、40センチ級マコガレイのダブルであった。

このあと期待が膨らんだのだが、やはり寸善尺魔。
あとが続かない。
隣りの山中教授の釣りぶりに、毒気にさらされぱなし。
左舷の3人のうち彼だけが、この魔の時間帯にポツリポツリと数を伸ばして行ったのだ。
「誰かにとられるくらいなら
あなたを殺していいですか」
(石川さゆりの『天城越え』より)
殺したくても、いない相手を殺せますか。
浄蓮(じょうれん)の滝の音が、最後の最後まで頭の中で鳴り響いていたよ。

                           
           冬眠中に描いた絵













終章
このあと午前11時半に、おまけのように37センチのマコガレイを1匹釣っただけ。
この日、隣りの山中教授が竿頭で良型マコガレイを16匹、2番手は13匹。
私は後ろから2番目でした。
それにしても沖の座布団カレイの道は、果てしなく遠い。
ロスタイムに入った我が人生、目的地まで行くことができるだろうか。

本日釣果
マコガレイ  37~42センチ  6匹
         真タコ 800グラム 1ハイ
         アナゴ 78センチ  1匹
         ホーボー  26センチ 1匹


The END
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