2014年5月20日(火) 午前5時半~午後12時 鹿島灘沖 竿頭になったけど・・・ マコカレイ4匹とムシカレイ2匹 玉砕もあるカレイ釣り レインツリーとはアメリカネムノキの別名で、その花言葉は「歓喜」、「胸のときめき」だそうな。 前回、はじめて剣豪7人中2番目の成績となり、お頭にレインツリーを見た。 今日も、剣豪8人(おこがましいが私も含め)が、鹿島灘沖のマコに挑戦し。 数はドングリの背比べだったが、はじめてトップになった。 でもお頭にレインツリーは現れなかった。 数だけでなく、感動という電池を前回かなり消耗したためかと思う。 それよりも。 今日、ただ一人玉砕(ボーズ)をくらった剣豪の、憔悴しきった顔が忘れられない。 4~5年前、俺も10人ほど乗った船中で、ただ一人マコから三行半(みくだりはん)をつきつけられたことがある。 その時は、マコへの自信が木端微塵(こっぱみじん)に砕け散ってしまった。 有川浩の「シアター!」の中に、こんな記述がある。 ー 「人間が何かを諦めるのに必要な条件って分かる?」 <中略> 全力を尽くして叶わなかったときに初めて人は折れる。 それが自分では届かない夢だと思い知る。 ー 俺はめげなかった。 さすがにショックで、しばらく立ち上がれなかったけど。 俺は再び夢を追った。 そして、アラシもセンベイも乗り越へ、やっと先日、上位進出できた(束の間の栄光かも)。 クラーク博士は云う、「ボーズ・ ビー ・アンビシャス」、すなわち「ボーズよ大使を抱け」と。 今日、玉砕された方、めげずにまたリベンジしてみては? 雲多き朝だった 先ずれば人を制す 船着き場に着いたのは、午前3時。 家を出る時、雲間に見えた半月も姿を隠し空は一面雲に覆われていた。 無風。 気温は15~6度くらい、暖かい朝だ。 船の前には、まだ一台も車がない。 どうやら一番乗りらしい。 早速、船に荷物を運んだ。 前回と同じように、左舷の中央に釣り座を確保した。 釣り客が来だしたのは、午前4時15分を過ぎてから。 ぞくぞくとやってきて左舷に4人、右舷に4人とバランスよく分かれた。 はじめの一匹 午前5時、定刻に出船。 前回と同様、船は太平洋を南下し30分走った所で停止。 即、釣り開始。 水深32メートル、海底はザラザラした砂だ。 開始して5分、左舷ミヨシの剣豪が船中の先頭を切って釣り上げた。 ベタ凪に近い海 ー今度は俺だ! 「おーい、いるか?今朝の青イソメは生きがええぞ」 と声をかけながら海底をトントントン・・・小突き、竿先をスーッと少し持ち上げると、 「カタカタカタ・・・」 と応答が。 カレイ語で、 「美味しい朝食ありがとう!」 と言ったような気がする。 本日、はじめの1匹は35センチ前後の一塁打。 先陣から5分遅れの1匹目であった。 このあと1時間ほど間を空けて、午前6時45分。 同サイズを1匹追釣。 朝は好調だった 午前8時20分。 錘を40~50センチほど海底から引き揚げた時だ。 バタバタバタと竿先が泳ぐような引きが。 「ナンダコリャ?」 健康優良児を絵に描いたような元気なアタリ。 強引にリールを巻いた。 引きの強さは終始衰えない、これでもかこれでもかとバタバタ追撃してくる。 船上に上がった3匹目は、38センチのムシガレイであった。 後半少しうねりが 午前8時30分。 35センチのムシガレイを追釣。 午前8時35分。 今度は37センチのマコガレイを追釣。 左舷のミヨシとその隣りの剣豪も、俺と同じようにポツリ、ポツリ。 この時点で、左舷側でトップになっていたが、その差は1~3匹と僅かだ。 このあと海は完全に沈黙してしまった。 船長が操舵室から顔を出し曰く、 「今日は曇っていて、光が海底まで届かないためだろう」 思わず笑っちゃったよ。 そんな話し聞いたことがない。 海が濁っているなら分かる、それは底荒れしていて魚が餌を見つけられないから。 船長も苦慮したあげくの言い訳なのだろうが、カレイは夜でも釣れることをひょっとしてご存じないのかな? 特筆大書 午前11時20分。 応答を待つこと3時間若、腕も足も腰もガタガタ、我慢の在庫も尽きてきた。 そんな時であった。 特筆大書の釣りが始まったのは。 その一部始終を、まだ鮮明に記憶している。 海底をトントントン・・・と、棒のようになった腕で40回ほど小突いたあと、竿先を、一段、二段、三段と3回に分けて1メートルほど持ち上げると。 「トン」 と小さく、軽く、まるで小指で戸を叩いたようなアタリ、そして竿にフワッと重圧が。 そのまま下方に引かれるまま竿を下し、錘が海底に着底すると。 状況はいきなりアクテイブに。 ガタガタガタ・・・と、フラメンコのサパティアード(足踏み)のようなアタリが道糸を直進してきた。 一瞬にして、胸中の鈍色が、パッと黄金色に変わった。 そのまま、バタバタ暴れる竿先を持ち上げると。 ドドーンドドーン・・・と、敵の強烈なパンチが竿先を投打。 ーおぬしやるな! 相手にとって不足はない、かかって来い! と叫びながら、竿先を海に突っ込みそのままリールを巻いた。 数メートル道糸を引き上げると、ジージージーとリールが逆転し、道糸を放出する。 ホームランに3センチ及ばず ーこれはタダもんじゃない。 大声を上げて船長を呼んだ。 船長が、 「かかったかーーー」 と叫びながら操舵室を飛び出してきた。 リールのドラグを少し強めにし、ギリギリとリールを巻く。 ドドーン、ドドーンと敵の容赦ない追撃を受けるたびに、リールが空回りする。 これ以上、ドラグを締めるとハリス4号が心配なので、ドラグはそのままにして巻いた。 「これはアナコンダかもしれないよ」 と船長に期待外れにならないよう予告しておいた。 そして海面に浮上したのは、 「カレイだ、デケェーーー!」 と船長のでかい声。 手際よく一発でタモ入れされたのは、惜しくも三塁打のマコガレイ。 ホームランに3センチ足りない47センチであった。 これが船中最後の1匹となった。 沖上がり 午後12時、沖上がり。 今日はマコの活性が普段にまして低かったようで、たった6枚の俺がトップに。 「明日は明日の風が吹こう 今日は今日の風に任せる 好日、好事でだった ありがたし ありがたし」 (山頭火) 本日釣果 マコガレイ 36~39センチ 4匹 ムシガレイ 35~38センチ 2匹 The END |
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