2014年9月22日(月) 午後6時~午後10時 那珂湊沖 スジイカ大漁でも大きさが・・・ 111匹 釣りは数だ! 出船直前の船上。 イカ釣り器の側で、百戦錬磨が足を組みながらタバコを吸っていた。 その隣りの釣り師が、 「一晩にどれくらい釣るの?」 百戦錬磨が、プカーッとタバコをふかしながら、 「まあ釣れない時で100、釣れる時には300を超えるよ」 プカーッ。 「そりゃもう漁師だ」 「遊びだよ」 プカーッ。 「鯛はやらないの?」 「あんなもんやらんよ。仕事ならしょうがないけど、遊びで3時間も4時間もかけてたった1匹、ありゃ人生の無駄使いだね」 プカーッ。 「でも300匹もイカ釣ったらあきるんじゃない」 「釣りは数だよ、いくら釣ってもあきないね」 プカーッ。 話しは続いていた。 百戦錬磨の気持ちわからんでもないけど・・・。 北の方に虹が 航程2時間 話しを戻す。 「Spice up your fishing life(釣り人生に味付けを)」 たまにはイカもいいんじゃないと船に乗る。 相手はスジイカ、釣り船情報では一人80~200匹と、好調らしい。 イカのなかでは二流か三流だけど、数が釣れるところが魅力か。 午後3時10分に那珂湊港に着いた。 すでにほとんどの客が着いていた。 本日乗船するのは俺も含め12人。 午後3時45分、出航。 東よりの風が吹いていて、海は一面小波が沸いていた。 北の方に虹がかかっていた。 日立の方で雨が降ったのかな? まだ陽は西に高く、雲間から陽光がシャワーのごとく地上にふりそそいでいた。 光りのシャワー 波をザブンザブン掻き分けて、疾走すること2時間若、午後5時40分釣り場着。 すでに海は闇が這い、2艘の漁火が薄闇に煌々と輝いていた。 午後5時50分。 船長がパラシュートアンカーを海に入れ、釣り開始。 船長の話しでは、まだ少し明るいから早いかも・・・。 ーならば。 しばし様子を見てから、始めようとその時を待っていた。 仕掛けは2.5号のスッテを7個付けた全長9メートル。 錘は船長の指示で80号。 ・・・すると。 ミヨシの方でイカが釣れたのを見た。 「よっしゃー」 と俺も参戦することに。 午後6時、釣り開始。 船長の指示棚は、60~70メートル。 7本針仕掛け 電動リールの水深メーターが60メートルを超えたところで、道糸の出が止まり糸がフケた。 糸フケを取り、ゆっくり竿先を持ち上げた途端、ググッ、ググッ、ググッと竿先をお辞儀させる引き。 追い食いを期待しながら竿先をゆっくり上下し、電動リールのスイッチレバーを中速にした。 「ジージージー」 と電動リールは、うなりながら道糸を巻いてくる。 竿先はたえずお辞儀を繰り返すが、道糸が軽快に巻かれるようじゃ小物だ。 仕掛けが海面下、3メートルに浮上したところでで自動的に電動リールが止まる。 そこからは手巻きだ。 海面から「シューシューシュー」と潮を吹きながら1匹、2匹、3匹とイカが船上に上がってきた。 大きさ20センチ前後のスジイカが3匹掛かっていた。 熱烈歓迎には、ちと物足りない。 これが標準サイズだった。 招かれざる客に苦戦する 仕掛けを海に返す。 と・・・。 仕掛けが海面下15メートルのところで、停止した。 直後に竿先が乱打。 ーアッ! これはあの厄介者、海のハイエナだ。 糸フケを取ったとたん、ガンガン竿先を引っ張る。 電動リールのスイッチレバーを最高速にした。 「ジー、ジー、ジー・・・」 竿先がお辞儀を繰り返しながら引き上げると。 やはり海のハイエナ、サバだった、大きさは30センチ強。 イカ釣り器 このあとも伏兵のサバに邪魔され、仕掛けが目標の海面下60メートルに届かない。 仕掛けを下すたびにサバが掛かり、すでに6匹釣ってしまった。 これじゃ何を釣りにきたのかわかりましぇーん。 そこで釣り方を変更、サバが掛かったところで振り落とし落ちない時は、そのまま水深60メートルところまで落し。 サバに仕掛けを振り回してもらい、イカを誘い釣りすることに。 これは功をしょうしたが、スッテを腹の中まで飲まれ悪戦苦闘。 効率は悪いが、入れ食いなので数は伸びて行った。 隣りの百戦錬磨は、直結型仕掛けなのでサバに邪魔されることなくイカがベルトコンベアのように海中から引き揚げられ、足元にポトポト自動的に落ちていく。 モンスターとの戦い すっかり闇が海を覆い、船の漁火が燦々と海面を照らしはじめると、体調1メートル近いシイラが5~6匹、船の周囲を回遊しはじめた。 直後にミヨシでシイラをイカ仕掛けに掛けてしまい大騒ぎ。 1メートル近いシイラが掛かったら、たまったもんじゃない。 ハラハラドキドキしながら、イカ仕掛けを海に投入していた。 胴体の無いイカ 午後8時を廻った時である。 掛けたイカを電動リールを中速にして引き上げていると。 水深30メートル近くで、ガーンと竿全体が海に引きこまれ竿が折れそうに。 竿にしがみつくと急に軽くなった。 船上に上がってきたのは、胴体のないイカだった。 ーなんじゃこりゃ! 1度あることは2度ある。 同じことがまた起きて、今度はスッテを一つ失っていた。 それから10分ほど経過したか。 また水深60メートルからイカを引き上げていると。 水深30メートル、ここは得たいの知れない魔物が棲む層である。 なにごともなく無事通過を祈っていたが、そうはいかなかった。 一発1億8千万円也 いきなり、 「バシーッ!」 と竿が張り倒された。 そのまま竿が”の”の字に曲がり、竿先が船底を目指す。 まるで。 一発1億8千万円と言われる巡航ミサイルトマホークが、ブチ当たったような衝撃だった。 竿が持ち上がらない、電動リールから道糸が「ジージージー・・・」と逆送していく。 ーああ。 エマ-ジエンシー(緊急事態発生)! 「船長、船長、船長!」 操舵室から顔を出した船長にシイラのようだと話すと、またかと無表情でタモを取りに行った。 どうもシイラは三流で扱いが雑にされる。 こっちは必死だつうのに、ったく。 船長がタモを持ってきたので、電動と手動の力を合わせてリールを巻いた。 さすがにモンスターも疲れたのか、ジワジワと浮上してきた。 その時。 「カツオだ!」 と船長が叫んだ。 海は少々うねりがあった とたんに船長の顔が引き締まった。 伸びきったゴモが元に戻ったようにシャンとなった。 なんせ体調60センチ強、丸々と太ったカツオだ、今夜一番の高級品だ。 船長がタモを近づけると、カツオが驚き海面を逃げまわる。 「しまった!タモに仕掛けがからまった」 見ると仕掛けがタモに絡まり、カツオに届かない。 船長はあわててタモを俺に渡し、 「待ってろ、別のタモを持ってくる」 と叫びながら、別のタモを取りに行った。 仕掛けがタモに絡まったのが運の尽きだった。 この直後。 力尽きたと思っていたカツオが、その命の全てを燃やして竿を叩きのめし、 「プツン」 とハリスを切って逃げてしまった。 船長が戻ってきた。 悔しがること、悔しがること。 このあとミヨシの方で、カツオが上がった。 あれは俺が逃がしたカツオじゃあるまいか。 午後10時、納竿。 隣りの百戦錬磨は400匹ほど釣ったと言う。 本日の釣り船の釣果報告は55匹~186匹、すなわち百戦錬磨の釣果は範囲外にされたようだ。 本日釣果 スジイカ(ムラサキイカ混じり) 20~30センチ 111ハイ サバ 32~40センチ 12匹 The END |
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