1998年 小笠原再釣行(前半)              
6月13日出港
                        
前方に父島が見えて来た
5月25日、昨年小笠原で知り会った名古屋の土建業ノリ氏より電話、小笠原への再挑戦に誘われた。
何やかんやあったが結局、同行することになった。
会社は6月15日より4日間の計画年休。

6月13日に竹芝桟橋でノリ氏と再会、ノリ氏の釣友である京都府舞鶴市の”三光丸”船長のセノ氏を紹介された。
今回の釣行はこの3人である。

その夜、喫煙所でノリ氏と、その場で知り合った母島の住人と3人で話しをしていた。
そこへセノ氏が、1人の若者を連れてきた。
大部アルコールが入っているようだ。
セノ氏の話しでは寝場所に戻ると、若い女性に場所を取られ、困っていると、後ろで酒を飲んでいた若者に話しかけられ、酒を飲まされた。
酒は40度の泡盛、酔いさましに仲間を紹介すると、連れてきたとのこと。
    
父島のメインストリート
若者が名刺を我々に差し出した、国土開発庁会計課、総理府事務官&内閣官房庁技官のミムロさん27才。
平成9年度の国の補助金の用途を確認の為、小笠原に行く途中とのこと。
彼の話しでは、小笠原を開発しいかに観光客を引きつけるかが使命のような話しだった。

母島の住人は昔しは美味しい井戸水が飲めたのに、今は薬で消毒された水道水を飲まされ、浜からいくらでも釣りが出来たのに、堤防工事で立ち入り禁止となった。

ノビタが追い打をかけた。
「手つかずの自然を残す方が、大切だと思うのだけど」
ここで母島の住人が握手を求めてきた。
ミムロ氏、床に土下座する。
あ〜我々の意見が、少しでも活かしてもらえたらな〜。
翌日午前11時、小笠原丸は定刻より30分早く二見港に入港。
小笠原は既に真夏の太陽がジリジリと照りつけていた。

6月14日釣り初日
小笠原丸の船上から電話で”かっぽれ丸”の船長に、到着したら直に釣りをしたい旨連絡を入れていた。
  
デッキを降り、待ち合い所に行くと船長が出迎えてくれた。
一旦、船長が紹介してくれたロッジに荷物を置きに戻り、午後1時出船。


                                 
電話でも聞いていたが”かっぽれ丸”は中古ながら、昨年の2倍以上大きい15人乗りの船に変貌していた。
港内は波静かだが、島の人が嫌う南風が吹き、外洋は波が高い。
   
装いを新たにした”かっぽれ丸”
船長が向かったのは弟島北端にある平根磯。
比較的大物が生息し、時には20キロ以上のカンパチや、ヒラマサも回遊してくるとのこと。
潮の流れが早く、好ポイントであるとのこと。












かっぽれ丸は最大速度9ノット非常に遅い、二見港より約1時間程で着いた。
船は平根の磯ぎりぎりまで近ずき仕掛けを落とす。
重り150号、水深50メートル、船はあっつと言う間に100メートル程離される。
浪のうねりは2.5メートル程、潮の流れは激流のように早い。
離れてはまた、船を近ずけることの繰り返しだ。
    
前方に平根磯
















ノビタ、幻の魚を釣る

船を磯に近ずけ、船長の合図で何度めかの仕掛けを投入、波のうねりで船も大きく揺れ、非常に釣りにくい。
前ブレもなくガーンと竿が船底に引き込まれた。
竿を立てようとするが、立ち上がらない。
船長が飛んできて「根がかりか?」
船長に竿を渡した。
しばらく海底の物体とやりとりがあった後、「大丈夫だ、思いっきり糸を巻け!」と竿を返される。
何度か引き込みがあった後、魚を船上にとりこんだ。
体調52cm、全体的に黒く、白い星のような点が全身に散らばっている。
船長が飛んできて「これは非常に珍しいアライソハタという魚で、ノビタさんは世界で4番目の採集者、日本では2番目だよ」

後で船長に、昨年8月31日号の”週刊釣りサンデー”を見せてもらい、日本で1番目の採集者は、船長であることを知った。
船長の話しでは、魚の写真と採集者ノビタ氏で報告するとのことだった。
              アライソハタ

セノ氏衝撃のバラシ

突然セノ氏の悲鳴の様な叫び。
「キタ〜」
重り負荷200号、2.7メートルの竿が、限界に近い形で船底に巻き込まれている。
魚は船の反対側に廻り込み逃げようとしていた。
「竿を起こせ〜」船長の怒鳴り声が聞こえるが、とても無理のようだ。
自分は慌てて、ビニール袋に入れていたデジカメを取り出し構えたが、セノ氏の構えは先程と逆転、真っ直ぐ前を向き、船縁に足を支えて、魚の張力に絶えていた。

新素材12号、300メートル巻きの糸が、ドラッグをフルロックにしても、全く無視され猛烈な勢いで糸は出て行く。
糸が200メートル程出た所で急に軽くなってしまった。

30号のハリスを切って正体不明の魚は逃げた、1分程の衝撃的ドラマだった。
セノ氏はドラグをフルロックにしても糸が出ていくため、左手の親指で糸の出を止めようとして、親指を火傷してしまった。

結局この日の船上釣果は52cmアライソハタ1匹と、同サイズのハタ5本で終了した。  
 
 
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